DXの取り組み

デジタル技術がもたらす変革

デジタルテクノロジーを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)による変革の波が、国内外で進展しています。2020年初頭から急拡大したコロナ禍はDX推進の阻害要因とはならず、むしろ加速させる要因となっています。AI、IoTなどテクノロジー同士の融合が進み、それによって、あらゆる領域で加速度的な変化が進行すると見込まれているこの時代。今やDX はメガトレンドとなっています。

DXとCACのビジョン

世界でも日本でも、ビジネス戦略とDX戦略を一致させる企業が増え、DXに関わる投資が拡大しています。一方で、当社が主力としてきたような個別受託型ITサービスの需要は早晩頭打ちになると見込まれています。

このような状況を踏まえて当社グループは、自らの目指すべきデジタルシフトの方向性を明確にし、それを実現するための組織、人材、技術、業務プロセスを強化・再構築する際の指針となるべきものとして、「テクノロジーとアイデアで、社会にポジティブなインパクトを与え続ける企業グループへ」というビジョン(CAC Vision 2030)を策定しました。

目指すポジティブなインパクトとは、たとえばセンシング技術とAIが人の意図を察し、その人の意思表示や移動を助けるよう機器を制御する技術によって、性別・年齢・障害などの要因で弱者にならない、させないインクルーシブな社会の実現。たとえばAI、IoT、AR(拡張現実)を活用して煩雑で肉体的負荷のかかる業務を効率化し、人が人ならではの創造性を存分に発揮できるようにして新たな価値創造の扉を開くこと、などです。

デジタルテクノロジーを活用したこのような取り組みにより、社員にも顧客にも社会にも魅力的で存在価値のある企業となることを当社は目指しています。

目指すビジネスの方向性

CAC Vision 2030達成への道筋として当社は、産業や社会の課題を先回りして解決するために自らが作り出したデジタルプロダクトとサービスを提供する「プロダクト&サービス事業」を主力とする企業への転換を掲げています。現在の当社の主力事業は、顧客から要件を提示いただき、個別受託により提供するITサービスです。この事業をプロセスの改善等により革新しつつ、プロダクト&サービス事業の確固たる確立に取り組んでいます。

デジタルイノベーション実現に向けた具体的取り組み

当社は、描いたビジョンや目指すビジネスモデルの実現に向けて、具体的な戦略・戦術を中期経営計画に組み込んで遂行しています。2022年度を初年度とする中期経営計画2022-2025では、「レディメイドのプロダクト&サービス事業の確立」「現在のコア事業(従来型のITサービス)のプロセス革新などによる高収益化」および「両事業を加速させる基盤の整備」を戦略の柱に定めています。そして、その実現に向けた戦術として「R&D強化」「新規事業開発」「業界・業務特化型ソリューション開発加速」「マネージドサービスの確立」「アライアンス強化」「人材基盤強化」「ブランディング」「高収益化基盤の整備(社内システム高度化など)」「風土改革」を定め、それぞれをさらに詳細なアクションに落とし込んで推進しています。

デジタルイノベーションを推進する体制

CAC Vision 2030とその実現に向けた戦略・戦術を遂行するため、当社は、役割と権限を明確にした専門組織を設置しています。たとえば、R&D推進のためにR&D本部、新規事業開発推進のために新規事業開発本部、マネージドサービス確立のためにエンタープライズサービス統括本部、人材基盤強化のために人材戦略推進本部をそれぞれ設置しています。また、当社はCTO(Chief Technology Officer)を任命しています。CTOは、DX系製品・サービスの研究開発・提供を主なミッションとする部門を直接率いるとともに、DX系を中心とする技術革新について責を負っています。

当社が目指すイノベーションは社内リソースだけでは完結しないため、外部組織との協業も行います。新規事業開発においてはM&Aや業務提携による必要機能の補強と共創パートナーの獲得、コア事業に係るアライアンスではグローバル戦略パートナーとの協業推進や新規戦略パートナーの開拓に取り組んでいます。

デジタルイノベーションを支える人材の育成においては、新デジタルテクノロジーへのシフトの実現に向けて当社が注力していく技術領域を定義した「技術羅針盤」を策定しています(初版は2018年5月発行。技術の進歩等を踏まえ随時改訂)。 これにより、自分が習得すべき技術や方向性を社員が確認できるようにするとともに、技術羅針盤に基づくコミュニティ活動として「技術クラスタ」を各種テーマで設置し、その活動を組織的に支援して主体的なスキル向上・革新に繋げています。

デジタルイノベーションを支える社内環境整備

当社は、CAC Vision 2030とその実現に向けた戦略・戦術を着実に実施していくために、デジタル技術活用環境などの整備も進めています。

<社内環境整備の主な施策>

  • 業務プロセスの最適化に資する社内システム高度化
  • 価値判断の進化に資するツール(データ可視化・ダッシュボード)の活用。
  • AI基礎研究/AIモデル開発の加速のためのAIワークステーションの導入・活用。
  • 「時間と場所にとらわれない働き方」への取り組み
    • - テレワーク環境の増強とセキュリティ強化
    • - 勤怠管理システムのクラウド化
    • - 経費精算システムのクラウド化
    • - 電子契約システムの導入
    • - 在宅勤務制度の正式運用
    • - フレックスタイム制の導入

成果指標

CAC Vision 2030とその実現に向けた戦略・戦術の成果を測る重要な指標として、当社は、プロダクト&サービス事業の2025年度の売上高を2021年度実績の2倍以上とする目標を設定し、進捗を管理しています。

2025年度までは、新規のプロダクト&サービスを継続的に生み出す仕組みの構築期間であり、その先の2030年度には、プロダクト&サービス事業で全社売上の半分を占めることをイメージしています。

当社は、CAC Vision 2030実現への取り組みを着実に進めてまいります。

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