CAC、自動封函時の異常を検知するAIアプリケーションを
三井物産グローバルロジスティクス向けに開発・納入
~ 不適切な状態の箱の発送防止と再封函時の作業負荷軽減を実現 ~
2021年10月13日
株式会社シーエーシー
株式会社シーエーシー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:西森良太、以下CAC)は、三井物産グローバルロジスティクス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:竹森一哉、以下 MGL)向けに、商品発送用の箱に自動封函機で封をする際の異常を検知するAIモデルとアプリケーションを開発・納入し、同社横浜本牧倉庫において実運用中であることをお知らせします。
■背景と課題
MGL横浜本牧倉庫では、荷主の商品を顧客に発送する業務を受託しています。商品を梱包して発送する箱の数は繁忙期で1日あたり4~5万箱に及ぶため、同倉庫では、発送に関わる作業の大部分を機械により自動化しており、自動封函機も導入されています。
自動封函機は、1時間に4,000箱程度という高速で封函することができるものの、稀に不適切な状態で封函されることがあります。箱の内フラップ(内フタ)が外側に折れたものなどは再封函しますが、次工程に進んでからの作業のため、WMSシステム(倉庫管理システム)の状態変更などの負荷がかかります。また、箱に投入した納品書が変形・破損した場合は外観から確認できず、そのまま発送してしまうことが稀に発生していました。
■CAC独自のAIモデルおよびアプリケーションの開発
上記課題を解決するため、MGLとCACは、2020年3月から4ヵ月にわたり、高速で動く発送箱をカメラ画像でとらえ、状態の適切/不適切の判定を行うAIモデルの開発と精度検証をPoCプロジェクトで実施しました。
CACは、画像データ収集、自社ツールによるアノテーション(教師データの作成)、AIモデル開発に必要なバックボーンの選定、パラメータのチューニング等を実施しながら、独自のAIモデル開発を行いました。
PoCで精度に問題がないことを確認した後、本番導入を想定した検証を2ヵ月程度行った結果、AIモデルによる判定とアプリケーションのロジックを組み合わせて稼働させることにより、誤検知の抑制が可能と判断しました。そして、異常を検知した際に自動封函機を停止する機能、精度を高めるのに必要となるデータの収集機能等を持たせた本番用アプリケーションの開発を行い、2021年4月に導入に至りました。
■導入後の効果と今後の展開
本AIアプリケーションの導入により、MGL横浜本牧倉庫では異常の検知時に自動封函機を即座に停止し、不適切な状態の箱の送付を防止することが可能になり、封函作業の品質向上につながりました。また、送り状の貼付前に当該の箱をレーンから取り除くこともできるようになったため、再封函時にWMSシステムの更新等を行う必要がなくなり、作業の効率化にもつながりました。運用開始後も、発送箱のデザインや色、大きさの変更の際には、AIモデルの再学習を実施して精度を維持していますが、AIが学習を重ねることでデザイン変更等の影響を受けることも減少してきています。
MGLでは、本件と同じ荷主の商品を神戸の倉庫でも取り扱っており、同様の仕組みを導入予定です。今後も、CACはMGLにおける他のテーマでのAI導入もサポートし、同社の業務効率や品質の向上に貢献してまいります。
<三井物産グローバルロジスティクス株式会社概要>
三井物産グループの中核物流会社。国内ではアパレル・健康食品・化粧品などの消費財物流や合成樹脂などの化学品物流、国際では鉄鋼製品輸送や機械・設備輸送を主力として、倉庫・物流に関する幅広い事業を展開しています。三井物産やグループ会社のネットワーク・情報力を活かし、物流の垣根を越えた「ロジスティクス+α」のサービスに強みを持ちます。また、IoTやロボティクスなどを用いたスマートロジスティクス実現にも積極的に取り組んでいます。
<株式会社シーエーシー概要>
所在地:東京都中央区日本橋箱崎町24番1号
代表者:代表取締役社長 西森 良太
資本金:4億円(東証一部上場 株式会社CAC Holdingsの100%子会社)
事業内容:システム構築サービス、システム運用管理サービス、業務受託サービス
コーポレートサイト:https://www.cac.co.jp/
[商標等について]
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デジタルITプロダクト部 デジタルイノベーショングループ
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