印象が良い表情と話し方を最新AI搭載アプリで練習する
営業や接客など対面を伴うシーンでは、表情や話し方によって相手に与える印象が大きく変わり、その印象がビジネス成果にも影響します。表情や話し方も重要なビジネスツールなのです。
企業は、社員のコミュニケーション方法について、従来、講師による接客研修やビジネスマナー講習などでトレーニングしてきましたが、最近はAIを利用したアプリで、より客観的で効果的なトレーニングが行えます。
ビジネスシーンでは表情や話し方が重要
コミュニケーションは、仕事を円滑に進めるうえで大変重要ですが、しばしば、何を話すかという内容以上に見た目などの印象が相手の理解などの結果を左右します。
相手への第一印象では笑顔が大変重要な役割を果たしますし、好感度の高い接客や接遇は高い顧客満足をもたらします。人は相手を判断する際に、表情やしぐさ、声のトーンや話すスピードなどノンバーバル・コミュニケーション(非言語コミュニケーション)からも多くの情報を得ているからです(※)。
したがって、時と場面に応じて相手に良い印象を与えられることもビジネススキルの1つと捉え、練習する意義があります。
※コミュニケーションには、大きく分けると「ノンバーバル・コミュニケーション」(non-verbal communication)と「バーバル・コミュニケーション」(verbal communication)の2つがあります。
ノンバーバル・コミュニケーションとは、非言語コミュニケーションのことで、具体的には、表情や態度、声のトーンや大きさ、話すスピード、さらに服装や髪型といったものまで含まれます。これに対して、バーバル・コミュニケーションは言語によるコミュニケーションの手法であり、会話や文字など言葉でのやりとりです。
このうち、ノンバーバル・コミュニケーションの重要性を語る際によく紹介されるのが「メラビアンの法則」です。
「メラビアンの法則」
アメリカの心理学者メラビアンは、態度や感情のコミュニケーションについて実験を行いました。その結果、感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたとき、話し手である自分に関する情報が他人に影響を及ぼす割合は以下のとおりであることが分かりました。
- 言語情報(話の内容など) 7%
- 聴覚情報(口調や話のスピードなど) 38%
- 視覚情報(表情、見た目など) 55%
これによれば、表情などの視覚情報と、話のスピードなどの聴覚情報による約9割の情報で話し手の印象が決まってしまうのです。
このメラビアンの実験結果については、「常に非言語情報が言語情報よりも重視される」といった誤用されるケースも見うけられますが、メラビアン自身も注意を促しているように、この実験結果は「感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたとき」という限定された条件のもとでの結果です。そのため、常に伝える話の内容などの言語情報が重要でない、と言ってしまうのは早計で、注意が必要です。
しかし、話の内容などに劣らず、コミュニケーションにおいては表情や話のスピードなども重要であるとは考えて良いでしょう。そして、ビジネスにおけるコミュニケーションでもこれは当てはまるのです。
ビジネスでの表情や話し方を練習するには
ビジネスの現場で好印象を得る方法は、多くの企業では社員のスキルアップのためにビジネスマナー研修や接客・接遇のセミナーなど講師から学ぶ形式で行われているでしょう。もちろん、こうした方法でもビジネスにおける表情や話し方を練習することは可能です。
しかし、これらの研修やセミナーは通常、挨拶、立ち居振る舞い、言葉遣いや敬語、電話応対などさまざまな要素が総合的に含まれ、表情のトレーニングはその一部分です。
また、参加者が受動的な態度に終始してしまう場合や、参加人数が多い場合は、参加者個別の課題に対応した練習を行うのは難しくなります。集合研修では、参加する時間や場所が限定されてしまいます。
そのため、もっと他の方法はないかと考える研修担当者や営業部門の責任者の方も少なくないことでしょう。
最新AIを活用したアプリでトレーニング
まだ広くは知られていないようですが、現在は最新のAIを活用したアプリで、ビジネスでの表情や話し方をトレーニングすることが可能になっています。
AIを活用したアプリでのトレーニングなので、集合研修やセミナー形式でのデメリットがなく、トレーニングの対象者に適切で、より効果的な練習が行えます。さらに、アプリを活用するのでトレーニングの時間や場所も参加者の都合に合わせることができます。
表情トレーニングアプリ「心sensor for Training」
CACが独自開発した表情トレーニングアプリ「心sensor for Training」は、セールススタッフなどのコミュニケーションスキル向上に特化したアプリで、ビジネスコミュニケーションで重要な表情などのトレーニングができます。
このアプリは、個人客への対面営業を行う多くの社員を抱える企業に、動画に映る人物の表情をAIで分析するサービスを実験的に使っていただき、高評価を得たことから、さらに改良を加えて製品化したものです。
感情認識AIが表情を分析
「心sensor for Training」は、米Affectiva社が開発した感情認識AI「Affdex(アフデックス)」を使用しています。カメラが捉えた利用者の表情筋の動きを感情認識AIが解析し、どのような印象を与える表情であったのかを採点・評価します。
カメラを搭載したPCやタブレット端末さえあれば、ネットワークに接続することなくいつでもどこでも、手軽に表情や話し方などのトレーニングが行えます。
表情や話し方のトレーニングに「心sensor for Training」が最適な理由
「心sensor for Training」は、ビジネスにおける表情などのトレーニングに最適なアプリです。その理由をご説明します。
世界最大級の表情のビッグデータを蓄積・活用
「心sensor for Training」の感情認識AI「Affdex」は、世界87ヵ国以上からディープラーニングにより830万件以上の表情データを収集、蓄積し使用しています。
この表情に関する世界最大級のビッグデータを活用することで精度の高い感情認識と分析を実現しています。
感情認識AI「Affdex」を開発したAffectiva社は感情認識AIのリーディングカンパニーで、CACは日本と中国における唯一の販売代理店です。
FACS理論に基づいた分析
FACSとは、Facial Action Coding System(顔面動作符号化システム)の略で、視認可能な顔の動きの包括的な測定のためにPaul Ekmanらによって1978年に開発された分析ツール・表情理論です。
FACSは顔のあらゆる動きを計測して数値化できるため、心理学者を始めとする多くの研究者などに活用されています。
感情認識AI「Affdex」では、FACSのアルゴリズムを採用しており、長年の研究結果の蓄積が活用されています。
こうした世界最大級のビッグデータと確立された表情理論に基づき、感情認識AI「Affdex」では、7種類の感情値、21種類の表情値、および2種類の特殊指標値(①好感度と反感度 ②表情の豊かさ)を分析し数値化します。
この感情認識AIを応用し、伝えたい感情→望ましい表情、という展開を設定して表情トレーニングに役立つように設計されたのが「心sensor for Training」です。「心sensor for Training」では、「笑顔」「真剣」「謝罪」「好感」の指標を加え、接客シーンに適した表情トレーニングが可能になっています。
「心sensor for Training」の使い方
「心sensor for Training」には、2つのモードがあります。それぞれ、目的に応じて表情や話し方の練習が可能です。
トレーニング目的に合わせた2つのモード
下記は「心sensor for Training」の「練習モード」でトレーニングを行っている様子です。
「練習モード」では、自分の表情が第3者にどのような印象を与えるか、4つの表情(笑顔、真剣、好感、謝罪)をそれぞれ練習できます。画面に表示される表情のポイント(例.笑顔なら口角をあげる等)や見本を参考にして、PCなどのカメラに向かって練習したい表情をキープします。
さらに、「練習モード」の「フリー」の練習では、4つの表情に加えて、感情認識AIで分析した7種の感情(怒り、軽蔑、嫌悪、恐怖、喜び、悲しみ、驚き)に分けてグラフがリアルタイムで表示されます。
「採点モード」では、顧客に向けた自社の説明やサービスの提案といったコンテンツ教材に合わせて、より実践的な表情や話し方の練習ができます。PCなどのカメラに向かって話をする練習者の表情をリアルタイムにAIが分析します。
以下が「心sensor for Training」の「採点モード」の結果表示画面です。
「採点モード」では、コンテンツ教材の目的から見て、練習者の表情や話し方がプラスだったのか、マイナスだったのかを採点します。合計点の評価とともに、練習中のプラス要素とマイナス要素の推移をビジュアルで表示します。
また、マイナス要素を改善するためのポイントがアドバイスとして分析レポートで確認できるため、練習者は改善アドバイスを意識して次の練習を行うことで表情や話し方が上達していきます。
「心sensor for Training」では、トレーニング結果のデータが時系列で蓄積されていくため、同じ練習者のトレーニング結果の推移を比較することも可能です。上達や改善の過程が目に見えてわかるので、練習者のモチベーションアップにもつながります。
組織での「心sensor for Training」のトレーニング実施体制例
企業などの組織で「心sensor for Training」を利用して、ビジネスでの表情などのトレーニングを運営する体制のイメージは以下のとおりです。
まず、組織のコンテンツ管理者が用意したコンテンツ(トレーニング教材)を「心sensor for Training」で共有データとしてアップロードします。練習者はカメラ付きのPCやタブレット端末などに「心sensor for Training」のコンテンツをダウンロードして、トレーニングを実施します。
「心sensor for Training」で練習する際にはネットワーク接続の必要が無いので、練習者は自身の都合に合わせていつでもどこでもトレーニングを行うことができます。練習結果はトレーニング実績として共有サーバーにアップすることも可能で、トレーニングの管理者(マネージャ)は状況レポートで各練習者のトレーニングの進捗を把握することができます。
また、「心sensor for Training」では同一の練習者の結果推移の比較だけでなく、異なる練習者同士の結果比較を行うこともできます。
トレーニング結果が良いメンバーとそうでないメンバーの違いがビジュアルですぐに把握できるので、改善指示やトレーニング内容の見直しなどへのすばやい対応が可能になります。
組織全体のコミュニケーションスキル向上に効果
表情や話し方などのコミュニケーションスキルは「心sensor for Training」を利用することで、これまでもよりも手軽に、そして効果的に練習することができます。
印象的な笑顔など各個人のコミュニケーションスキル向上に役立つのはもちろんですが、組織メンバーのトレーニング結果が蓄積され、メンバーのコミュニケーションスキルが改善・向上していくため、結果として組織全体のコミュニケーションスキルの底上げにもつながります。
「心sensor for Training」の詳細やお問い合わせについては、以下の特設サイトリンクからご覧ください。