社内の会話機会を増やして組織を活性化する「hashigake」

近年のリモートワークの普及やフレックスタイム制の導入など働き方の多様化に伴い、社員同士のコミュニケーションの不足やそれに伴うエンゲージメントの低下、また偶発的なアイデア創出機会の減少などの課題を感じる企業が増えています。こうした企業の課題認識に対応するサービスとして、CACは2023年12月に「hashigake」MVP(Minimum Viable Product:コア機能に絞った実用最小限の製品)版の提供を開始しました。
こちらでは、CACの「hashigake」についてレポートします。

社内コミュニケーションに課題を感じている企業

「月刊総務」が2024年6月に行った調査によると、社内コミュニケーションに課題を感じている企業は8割を超え、さらに企業はそうした課題が、部門間や上下関係、メンバー間など社内の様々な関係において存在していると感じています。

また、同調査結果では、社内コミュニケーションが経営に与える影響には「業務の円滑化」「離職率の低下」「モチベーションの向上」「生産性の向上」といった回答が多くなっています。さらに、社内コミュニケーションが「イノベーションの創出」に影響があると回答した企業は8割に以上にのぼるなど、各企業は社内コミュニケーションが経営に与える影響が大きいと考えていることがうかがえます。

こうした社内コミュニケーションの課題への対応策には、飲み会やランチ会、レクリエーション等の社内イベントの実施、1on1ミーティング(上司と部下による面談)の導入などの施策がありますが、いずれも実施コストや準備のためのリソースの問題があったり、さらに導入や定着にも難しさが伴います。
また、コミュニケーション機会を求める社員個人が自発的に行動しようと思い立っても、忙しく業務を行いながらでは難しく、ましてや、業務と直接関係のないことで話しかけるのは心理的なハードルが高いでしょう。

「hashigake」はこんなサービス

こうした企業における社内コミュニケーションの課題に対応するサービスとしてリリースしたのがCACの「hashigake」です。

「hashigake」は、利用登録している社員同士に1回15分の1対1のオンライン会話(トーク)の予定を自動で設定します(マッチング。※1回25分 3人のトークも設定可能)。
マッチングは、社員が事前に登録したユーザープロフィールの内容とOutlook予定表(※2024年後半にGoogleカレンダーも利用可能になる予定)の空き時間をもとに行われます。設定された日時が来たらマッチングされた社員同士で「hashigake」のシステム内でトークする仕組みです。

「hashigake」が意図しているのは、社内における社員同士の会話機会の増加です。コミュニケーション課題対応のための企業や社員の負担を減らし、社員同士の会話の量を増やし、会話する相手の幅も広げることをITツールがサポートします。社員は自動設定される会話の機会を楽しむだけでよく、「hashigake」によって社内のコミュニケーション量が増えることが組織全体の活性化につながります。

hashigake内でのトークイメージ
図: hashigake内でのトークイメージ

「hashigake」の主な特徴をご紹介します。

1. マッチング

「hashigake」の特徴はマッチングにあります。トークの相手はユーザーが指定するのではなく、「hashigake」が登録情報をもとに選定して自動で設定します。マッチングの参考にされる情報はユーザー登録の際に入力するプロフィールやトークに関するテーマで、以下のような情報です。

  • 所属部門
  • 趣味・特技(例:「スポーツ」「グルメ・料理」「アウトドア」などの項目から複数選択)
  • 自己紹介(ユーザー自身で入力)
  • 話せるテーマ(仕事関連、趣味・ライフスタイル関連ごとの項目から複数選択)
  • 聞きたいテーマ(仕事関連、趣味・ライフスタイル関連ごとの項目から複数選択)

など

これらの情報をもとに行われる「hashigake」のマッチングでは、ユーザーがこれまで社内で会ったことも話したこともない社員とのトークが設定されることがあります。他にも、話すのが久しぶりの同期だったり、上位の役職者や新入社員だったり、あるいは年齢が離れた相手など色々な社員がトーク相手になる可能性があり、誰がトーク相手になるかはマッチングされるまでわからないのです。「hashigake」ではこの偶発的なトーク機会を重視しています。「hashigake」がもたらす「タテ(上司と部下の関係)」「ヨコ(部署のメンバー間や同期つながりなどの関係)」「ナナメ(部署や役職を飛び超えた関係)」のトーク機会が、人と人に「橋」を掛け、各社員のモチベーションや新たなアイデアを生み出すきっかけとなります。

このように聞くと、「初めての相手とのトークは気が引ける」「ちゃんと話せるだろうか」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「hashigake」のマッチングはプロフィールの共通の情報をもとに行われるため、共通の話題がトークを行う助けになります。

2. トーク時間と頻度

「hashigake」 が設定する1回のトーク時間が15分であることもポイントです。1時間などではなく適度な長さなので、例えば、業務と業務の間のスキマ時間にも設定ができます。長くもなく短くもない15分のトーク時間はコミュニケーションのきっかけ作りに適しています。効果検証を行っているCAC内でも、実際に業務と業務の間の息抜きの機会として1回15分のトークを楽しんでいるユーザーもいるようです。

また、「hashigake」によるトークの設定頻度は「週1回」「週2回」…などとユーザーの好みの頻度に設定ができます。他にも、業務が忙しくなった際などの「一時休止」設定や、急に重要な予定が「hashigake」で設定したトーク時間に入ってしまった場合などのリスケジュールも可能で、ユーザーの都合に合わせてトーク機会の設定を行うことができます。

3. コミュニケーション可視化

「hashigake」には、コミュニケーションの状態や内容を可視化する機能も備わっています。
「hashigake」に参加している社員を一覧できるとともに、一度トークした相手は、ソーシャルグラフで表示されます。
また、ユーザー自身や他のユーザーが「hashigake」内でよく話すキーワードが抽出され、ワードクラウドで表示する機能もあります。これを参照することで、新たな会話ネタにしたり、自己や他人の理解を深めるのに役立てたりと様々に活用できます。
さらに、トーク参加者数、回数、満足度などを見ることができ、組織の活性化度合いを時系列で確認することも可能です。

「hashigake」でのネットワークの可視化イメージ
図:「hashigake」でのネットワークの可視化イメージ

「hashigake」ユーザーの声は?

CACは、2024年3月から「hashigake」を社内の正式なコミュニケーションツールの1つとして導入し、社員の利用結果の検証を進めています。検証で「hashigake」を利用した延べトーク参加者数2000名のCAC社員の感想の中から一部をご紹介します。

  • 「今回は初めてお話しする方とのマッチングであったが、楽しくコミュニケーションを図ることができました」
  • 「普段仕事の話しかしない相手だったので、プライベートな話が新鮮だった」
  • 「久しぶりに会話するお相手だったので、面白かったです。よい息抜きになりました」
  • 「今の業務で困っていることに繋がる話ができてとても有意義でした」
  • 「ベテランの貴重な話が聞けてよかったです」

偶発的なトークにより、社内で人脈が広がっていくことを感じたり、実際の仕事に役立ったり、キャリア形成のうえで参考になるといった、様々な感想が聞かれます。
CAC内での「hashigake」の各月の利用者満足度は85%以上をキープし続けており、「hashigake」によるトーク機会の創出が利用する社員にポジティブな影響を与えることがうかがえます。

以下の「hashigake」公式サイトのページからより多くのCACでの利用者の声を掲載した「ユーザの声集(CAC編)」をダウンロードいただけます。ぜひご覧ください。

hashigakeユーザのリアルな声を『ユーザの声集(CAC編)』にまとめました

「hashigake」とCACの「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」

「hashigake」は、CACのサステナビリティ経営推進の効果的なツールとしての役割も期待されています。
CACでは「人材」への取り組みをサステナビリティ経営における最重要テーマと考えており、その一環として「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」の取り組みを推進しています。CACでは、「hashigake」がこの「D&I推進」でも多様性の理解促進を可能にするコミュニケーションツールとして効果を発揮すると考えています。

CACのオウンドメディア「CAC Innovation Hub」の記事「CACのD&I推進とコミュニケーションサービス『hashigake』への大きな期待」では、そうした期待について、CAC社長の西森良太、サステナビリティ推進担当執行役員の島田優子、そして「hashigake」のサービスオーナー平井健太郎の3者によって語られています。

「CACのD&I推進とコミュニケーションサービス『hashigake』への大きな期待」(CAC Innovation Hub)
図:「CACのD&I推進とコミュニケーションサービス『hashigake』への大きな期待」(CAC Innovation Hub)

この記事でも述べられているように、CACでは社長をはじめとした経営陣も積極的に「hashigake」に参加しています。記事の中では、入社2年目の社員が「hashigake」に登録して初めてのトーク相手が社長の西森だった話が語られていますが、これなどは「hashigake」による偶発的な会話機会創出の特徴がよく表れた例と言えるでしょう。

CACのD&I推進とコミュニケーションサービス『hashigake』への大きな期待(CAC Innovation Hub)

「hashigake」の無償トライアル参加企業を募集中

現在CACでは、「hashigake」による効果検証をさらに進めるため、実際に自社に「hashigake」を導入して社内コミュニケーションへの影響を検証するトライアルに協力いただける企業を募集しています。
主なトライアル参加条件などは以下のとおりです。

  • Microsoft 365の予定表(カレンダー)を利用している
    ※本年後半にGoogleカレンダーも利用可能になる予定
  • 費用:通常1ヵ月無料のところ、本期間内の申し込みであれば年内無料
  • 申込期間:2024年8月~10月

社内コミュニケーションに課題を感じていたり、「hashigake」にご興味がおありでしたら、以下の「hashigake」トライアル申し込みページをご覧いただき、まずは打ち合わせをお気軽にお申し込みください。

hashigakeトライアル申し込みページ

今後CACでは、今回募集するトライアル参加企業による検証結果を分析して製品に反映し、機能などを向上させた「hashigake」の正式プロダクト版を本年内にリリースする予定です。

「hashigake」の詳細情報は公式Webサイトをご覧ください。

「hashigake」公式サイト

[参考資料]

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