マネージドサービスへのニーズの高まりとCACの取り組み
最新のITで成長を後押ししつつ、重くなりがちな管理負担を軽減したいと考える企業が増え、マネージドサービスへのニーズが高まっています。CACでも、企業のIT部門をIT運用の実務作業から解放してコア業務へのシフトを可能にするマネージドサービスの確立に注力しています。
こちらでは、CACのマネージドサービスへの取り組みについてレポートします。
企業におけるIT運用の課題
企業におけるDXには、業務効率化や生産性向上、さらに新たな付加価値の創造などが期待される一方で、実際には多くの企業で既存システムの運用に多くのリソースを割いている現状があり、特に、ユーザー部門へのサポート対応は大きな負担となっています。
また、パブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスを組み合わせて利用するITインフラのハイブリッド化によって、IT運用が複雑化し、必要な知識やスキルを獲得・維持するのが容易ではなくなっています。
自社での運用負担を減らすため、IT運用の一部または多くをアウトソーシングする企業は以前からありますが、サービスの範囲、品質、価格への納得感が低かったり、新技術への追随に不満を感じたりするケースも見られます。
企業におけるIT運用のこうした課題に対応するべく、標準化された運用プロセスを用いて、サービス内容と価格を分かりやすく可視化して提供するマネージドサービスへのニーズが高まっています。CACでも、そうしたニーズに応えるマネージドサービスを提供しています。
CACのマネージドサービスとは
CACのマネージドサービスは、企業のITシステム運用に関するユーザーサポートからITインフラ環境全般、さらにアプリケーション環境全般までのサービスをあらかじめメニュー化し、DXソリューションを活用しつつ、グローバル標準のITSM(IT Service Management)プロセスを用いてITシステム運営をCACが代行するものです。
お客様はCACのマネージドサービスを利用して、CACにITシステム運用を任せることにより、IT部門の社員をITインフラ維持管理やアプリケーション運用の実務作業から解放して、戦略的なコア業務へシフトさせることが可能になります。
従来型アウトソーシングとの違い
運用設計からサービス提供までを個社対応のオーダーメイドで提供する従来型アウトソーシングに比べて、マネージドサービスはサービスメニュー、運用プロセス、運用体制、運用ツールなどについてCACがあらかじめ標準定義したものを使用します。そのため、サービス価格も明確に提示することができ、コスト削減効果も把握しやすくなります。また、短期での導入も可能なことが特徴です。
CACのマネージドサービスは、ITインフラ環境を担う「CAC マネージド デジタルワークプレース サービス(マネージドDWS)」と、アプリケーション環境を担う「CAC マネージド アプリケーション オペレーション サービス(マネージドAOS)」とで構成しています。
ITインフラ運用サービス:
CAC マネージド デジタルワークプレース サービス
(マネージドDWS)
マネージドDWSは、ITインフラ環境全般のシステム運営を代行するサービスであり、ユーザーサポートからITインフラ領域全般までを網羅しています。ツールによる自動化などDXソリューションを活用して、安定した品質のシステム運用サービスを迅速かつ効率的に提供します。また、グローバルアウトソーサーとの協業によるCAC主体のサービス提供体制を築いているため、日本で求められる品質を担保しつつ、企業グループのグローバル全体にマネージドサービスを提供することもできます。2024年現在で、すでに数社の製薬会社や製造業の企業などに導入いただいています。
マネージドDWSでは、サービスデスク、ID管理、アプリケーション配布、ファイル共有、サーバーサポート、ネットワーク運用、セキュリティ運用など多岐にわたるサービスメニューをご用意しています。
個別サービスとしても提供可能
マネージドDWSの豊富なサービスメニューはお客様のニーズに合わせて、以下のような個別サービスでの提供も可能です。
ユーザーサポートサービス
お客様の社内からのITシステムに関する問い合わせや依頼を受け付けて、解決または担当窓口に誘導する「サービスデスク」や、DXを活用した「自己解決手段」を提供するサービスです。
ICTデバイスLCMサービス
お客様企業が利用するICTデバイスや周辺機器について、配布計画・調達・導入・運用および廃棄までのライフサイクル管理全般の業務をCACが最新の技術を踏まえて設計およびサポートします。
ID管理システム
企業などにおけるユーザーと組織情報を人事システムと連携させ、人事イベントを網羅しながらタイムリーにユーザーIDを一元管理するサービスです。Microsoft Entra ID/オンプレミスActive Directoryや各リソースと自動連携し、セキュリティ強化やオペレーション効率化、さらに人的コスト低減などに貢献します。
Microsoft関連の各種実装サービスも提供可能
CAC にはMicrosoft製品の豊富なノウハウと導入実績があり、マネージドDWSのサービスメニューの中から以下のようなMicrosoft関連の実装サービスも個別に提供しています。
Microsoft Entra ID実装サービス
Microsoft社のユーザーID とその権限管理の核となるクラウドサービス「Microsoft Entra ID」について、お客様の利用環境とライセンスを最大限に活用させるベストプラクティスを提案・実装します。
Microsoft Intune実装サービス
組織で使用する様々なデバイスのためのMicrosoft社のクラウドベースのエンドポイント管理サービス「Microsoft Intune」の環境構築からエンドポイント管理の設計と導入全般までをサポートします。
Windows Autopilot実装サービス
大量のWindows10/11のPCを効率的にセットアップするMicrosoft社のクラウドサービス「Windows Autopilot」の環境構築からデバイスの設計までをサポートするサービスです。
その他のマネージドDWSのサービスメニューなどは以下のページからご覧ください。
アプリケーション運用サービス:
CAC マネージド アプリケーション オペレーション サービス
(マネージドAOS)
企業のITアプリケーションの包括的な運用サービスとして2024年5月に提供を開始したのが「CAC マネージド アプリケーション オペレーション サービス(マネージドAOS)」です。
一般に企業が内製でアプリケーション運用を行う場合には、その運用に多大な時間が必要だったり、また、部門によって利用するツールが異なっていたり、運用ルールが統一されていない場合があるなど、コスト面や効率化の点で課題があります。
マネージドAOSでは、CACがお客様に代わりアプリケーション環境全般のシステム運営を行います。
サービスデスクやジョブ運用、バックアップ・リストア管理やリリース管理、障害対応、そして監視運用といったサービスメニューを取り揃えており、アプリケーション運用の統合管理基盤には監視基盤(Zabbix)、ITSMツール(Jira)、自動化運用ツール(Kompira)などのCAC標準ツールを準備して提供します。管理にはITILv3をベースにしたCAC独自のITSMプロセス標準を適用します。
マネージドAOSを利用することにより、利用企業ではアプリケーション運用業務を部門横断で集約管理することができるため、アプリケーション運用に関するコストも削減できます。また、CACによる標準化された運用手法を用いるため、均一で安定したアプリケーション運用の品質が実現します。
マネージドAOSの詳細やサービスメニューなどは以下のページからご覧ください。
自社の運用状況を可視化するサービスも提供
自社へのマネージドサービスの導入を検討する際、まず気になるのは「自社の現状の運用品質や課題」ではないでしょうか。こうしたお客様の疑問や不安に対応するべくCACでは、お客様のIT運用状況を可視化して運用改善への提言などを行うサービス「ITスマートアセスメント」の提供を2024年8月に開始しました。
このサービスは、CACが独自のアセスメントフレームワークを活用してお客様のIT運用状況について品質評価と課題定義を行い、適切な運用改善への提言を実施するものです。 本サービスを利用することで、お客様は自社の運用状況の問題点を把握して改善施策を検討することができます。その後、マネージドサービスを導入して、より効果的に改善施策を推進してIT運用の最適化と運用サービスレベル向上を図ることも可能です。
CACでは本記事でご紹介したマネージドサービスへの取り組みを継続し、今後もお客様のIT運用の最適化と効率化を支援してまいります。